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レポート
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Super Taikyu / BIG RACE

DAISHIN GT3 GT-R シリーズ最長の24時間レースで総合優勝

2021/06/19

2021年S耐第3戦は、5月21〜23日に富士スピードウェイ(静岡県)においてシリーズ最長の24時間レースとして開催。大八木信行、青木孝行、藤波清斗、坂口夏月の#81 DAISHIN GT3 GT-Rは、3位スタートからレース中盤にはトップに立ち、その後は独走状態となり総合優勝。チームとしては2年ぶりの富士24時間3勝目を挙げた。

 

今回の24時間レースには、9クラスに計51台がエントリー。ST-Xクラスは6車種7台で争われる。富士24時間はレースイベントが復活して今回が4回目の開催となるが、GTNET MOTOR SPORTSは2018年、2019年の大会で総合優勝を果たしており、今回は2年ぶりの優勝を目指した。またレギュラードライバーである大八木龍一郎は、今回自身が参戦中である鈴鹿のヴィータレースと日程が重複したこともあり、S耐をスキップすることになった。富士スピードウェイは1周4.563kmで1.5kmのストレートを持つハイスピードコースであるが、ダンロップコーナーから最終コーナーであるパナソニックコーナーまではテクニカルな区間でもある。今年もファンが密を避けながらテントを準備し、キャンプやバーベキューを楽しみながらレースを観戦する姿が多く見られた。

 

 

◆公式予選

平年より20日以上も早く入梅した東海地方。予選が行われる21日は朝から悪天候で、12時からスタートする予定だった公式予選は何度もディレイとなり、15時10分の時点で天候の回復が見込めないため中止と発表された。そこで第2戦までのシリーズポイントランキングや前日の専有走行結果順などを考慮したグリッドが決められ、DAISHIN GT3 GT-Rは2列目の3番グリッドからのスタートとなった。

 

◆決勝レース

決勝のスタートする22日は曇り。気温17℃の15時丁度に24時間レースがスタートした。最初に乗り込んだのは大八木で、ST-Xクラスでジェントルマンドライバーがスタートを担当したのは、#290マクラーレンとの2台だけだった。他の車両はプラチナドライバーやエキスパートドライバーがスタートを担当したこともあり、大八木は、ペースを守って周回。28周と早めにピットインして青木へ交代。順位は7位となった。

 

ピットインのタイミングもあり5位へ順位を上げた青木は、17時過ぎの72周でピットインして再び大八木へ交代。その直後にポールポジションスタートだった#777アストンマーティンがクラッシュして大きく後退することになった。

 

雨がポツポツと落ちて来たがコースを濡らすまでには至らず。大八木は107周でピットインし藤波に交代した。この大八木のスティントでは、モニターにトラブルが発生。エンジンの回転数や何速に入っているのかの表示はもちろん、燃費計なども確認できなくなっていた。さらにさまざまなエラーが出てエンジンも息継ぎするような症状も出るようになった。そこで車両を製作しバックアップを担当するNISMOと相談し、無線でドライバーとやりとりをしながら車内で対策を行い、走れる状態に戻すことができた。しかしモニターのトラブルはゴールまで続き、ドライバーはこれまでの経験を生かして、最後まで走らせることになった。

 

あたりが暗くなってからは、GT-Rのドライブ経験も豊富でトラブルに対処できる青木と藤波が交代でドライブを続けた。トップを走るのはFCY(フルコースイエロー)のタイミングでピットインを済ませ後続との差を広げていた#290マクラーレンで、これに#999 NSX、#9 GT-R、そしてDAISHIN GT3 GT-Rは4位を走行した。

 

 

22時30分過ぎ、トップが250周に差し掛かった頃に3位の#9 GT-Rがクラッシュしてストップ。これで藤波は3位へ浮上することになった。日付も変わり深夜の1時半過ぎ、トップ走行中の#290マクラーレンに電気系トラブルが発生し、これで#999 NSXがトップ、DAISHIN GT3 GT-Rが2位に浮上した。#290マクラーレンはその後ピット作業違反で60秒ストップのペナルティを受け、さらに電気系トラブルのために2時半過ぎにコース脇でストップ。リペアエリアへ牽引され大きく順位を落とすことになった。またその直前に#999 NSXはピットインして10分間のメンテナンスタイムに入ったこともあり、これでDAISHIN GT3 GT-Rがついにトップに立った。

 

4時半を回ると夜が明けて空が白み富士山が姿を見せた。4時45分ごろ3位走行中の#31 RC Fが出火してリタイア。このころチームは義務付けられた10分間のメンテナンスタイムに入った。前後のブレーキを交換して入念に車両をチェック。そして#999 NSXと同一ラップのトップでコースに戻った。ここから#999 NSXとのバトルが予想されたが、5時50分過ぎには2位の#999 NSXの左リヤホイールが外れGRスープラコーナーでストップしリペアエリアへ運ばれた。これでDAISHIN GT3 GT-Rは難なく独走状態となった。

 

朝の8時前には、坂口がこの車両で初めてコースへ。昨年もメンバーのひとりとして参加していたものの、雨の影響もあり出走は叶わなかった。1時間ほどでセーフティカーが導入され、このタイミングで大八木に交代。このスティントで大八木はほぼ自身のノルマを達成することとなった。この時点で総合2位の車両とは30周近い差で、クラス2位との車両とも40周近い差を築いており、あとは残り6時間をトラブルなく走りきるだけだった。

 

レースの残り1/4は、藤波、坂口、青木と慎重につないで14時を回ったところで最後のピットインをして、車両をピットガレージに入れて車両をチェック。そして大八木がコースへ戻り、15時1分過ぎに763周を走りトップチェッカー。昨年誕生したチームとしてS耐初優勝を飾り、GTNET MOTOR SPORTSとしては2年ぶり3回目の富士24時間制覇を遂げた。チームの総合力が発揮されたレースだった。

 

4この結果、シリーズポイントでチームは2位に浮上。シリーズチャンピオンを目指して、残り3戦を戦うこととなる。次のS耐第4戦は7月31日〜8月1日にオートポリス(大分県)において5時間レースとして開催される。

 

◆大八木信行

「やっと勝てました。去年からこの富士24時間優勝を目標にやって来たので、この勝利は格別。(欠場した長男の)龍一郎は鈴鹿のヴィータレースで優勝したということで、親子でダブルウィンになりました。去年もそうでしたが、レース前に入念に打ち合わせをしていろんな場面を想定しながら24時間に再チャレンジ。今年は絶対に勝とうという精神的なものが現場に来てからの強さにつながったと思います」

 

◆青木孝行

「モニターや燃料系のトラブルがあったので、とても感動的な優勝になりました。モニターのエラーが連続的に発生した状態で、トラブルを抱えたまま走っていました。その状態でも、最後まで走りきることができました。今回は大きなポイントを加算できたので、シリーズチャンピオン争いにも残れました。次のオートポリスでもしっかり走ってタイトル獲得を目指します」

 

◆藤波清斗

「最初に大八木さんから交代した時に既にモニターがトラブっていて、音と感触とリズムを頼りに走りましたが、最後までそのトラブルは解消されることはなく、残り20時間は大変なドライブでした。よくチェッカーフラッグまで耐えてくれたなと思います。それでもクルマ自体はちゃんと走ってくれて完璧でした。そういうシナリオがあったのかもしれませんね。シリーズで一番大きな24時間を制覇できてとても感激しています」

 

◆坂口夏月

「去年もこのチームでドライバーとして登録してもらいましたが、雨や赤旗中断の影響もあり残念ながらドライブするチャンスはありませんでした。今年は朝から2スティントを走らせてもらい、その順位を守って次につなぐという自分の仕事を、ちゃんとこなすことができたのではないのかなと思いますし、本当にいい経験になりました。次はレギュラードライバーとして参戦し、富士24時間で優勝をしたいと思います」

 

◆尾本直史チーム監督

「ナイトセッションは限界ギリギリまで攻めたあたりが、際どいレースでした。トラブルを抱えたまま走り切り、無傷ではありませんでしたが。そういうところをしのぎながら何とか最後まで走り切ることができました。短いレースはラッキーなことで優勝することもあるけど、24時間レースはラッキーだけでは勝つことができません。チームの総合力が上がって来た結果だと思います。応援ありがとうございました」

 

GTNET MOTOR SPORTS is highly actively in motorsports. For 2018, we are competing in the Super Taikyu series with a full team and also provide race mechanic support to teams in the Super GT series.

GTNET MOTOR SPORTSは、モータースポーツに積極的に取り組み、2018年はスーパー耐久ではチームとして参戦をし、SUPER GTは、メカニックがチームの応援をしています。

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