2018 Rd.4 スーパー耐久レースinオートポリス    2018年7月14日(土)・7月15日(日)

 ピレリ スーパー耐久シリーズ2018第4戦は、7月14〜15日にオートポリス(大分県)において、5時間レースとして開催。予選7位からスタートしたY’s distraction GTNET GT-R(浜野彰彦/星野一樹/藤波清斗)は、60kgのハンディウェイトを搭載しながらも粘りの走りで2位表彰台を獲得。次戦もてぎでのタイトル奪回の可能性が高まった。

 

 オートポリスは九州随一のレーシングコースで、オープニング直後には世界選手権(1991年スポーツカー世界選手権=SWC)も開催されたこともある。施設は阿蘇外輪山の中腹に位置しており、イベント開催は天候の変化に翻弄されることも多々ある。しかし、アップダウンに富む高原のロケーションやチャレンジングなコーナーもあり、ドライバーにも人気の”ドライバーズサーキット”でもある。昨年までは3時間の耐久レースとして開催されていたが、今年は5時間となり季節も気温と路面温度の高い真夏。タイヤと路面コンディションのマッチングにも未知数な部分が多く、13日に行われたフリー走行から走り込みを行うチームが多かった。

 またY’s distraction GTNET GT-Rは、今回のレースで優勝をすればタイトルを獲得することができる。しかし60kgというハンディウェイトはアップダウンに富むオートポリスでは確実に影響があり、今回は4〜5位で完走して着実にポイントを加算することが重要だった。

 

◆公式予選

 今回の参加台数は全7クラスで計50台。ST-Xクラスには9台のエントリーがあった。公式予選は14日の午後にA、B、C、Dドライバー別に行われ、A、Bドライバーのベストタイム合算で争われた。しかも前回の富士同様A、Bドライバーの枠だけ、10分間のST-X専有走行枠が設けられた。浜野と星野のタイムは60kgのハンディウェイトも影響し7位にとどまった。またこの予選で1台の車両がアクシデントのために決勝レースへの出走を断念。ST-Xクラスは全8台で争われることとなった。

 

◆決勝レース

 5時間レースのスタートは、薄くガスのかかった晴天で、気温26℃、路面温度40℃というコンディションの11時39分。気温は午後にかけてさらに暑くなりそうで、タイヤやブレーキにかかる負担が心配された。スタートを担当したのは藤波で、スタート直後こそ慎重にペースを守って走行していたが、ペースのなかなか上がらないライバルを2台かわして16周目には5位に上がると、5台が連なる3位争いのグループが形成され、ワンミスも許されない大バトルを10周以上にわたり展開し、ファンの視線を釘付けにした。29周目でその隊列は崩れ藤波は4位へ浮上し、さらには31周目には3位へ順位を上げることに成功した。

 38周目、2位の車両がルーティーンのピットインをすると藤波は2位へ。そして42周でピットインして浜野へ交代した。浜野はタイヤを労わりながらペースとポジションを守って周回。ジェントルマンドライバーの最低周回数、レース距離(時間)の20%である32周1時間を問題なくクリアして、5位に順位を上げた74周で2回目のルーティーンピットイン。ここで星野に交代した。

 ピットインのタイミングで、トップから周回遅れの7位へ順位を落とした星野だったが、すぐに6位へ戻ると84周目にはトップ車両を抜いて同一周回に持ち込んだ。そしてトップ車両がピットインをした87周目には5位へ。2位の車両が99周でピットインすると4位、さらに110周目に3位と着実に順位を上げ、115周目に2位の車両がピットインすると2位まで順位を上げることに成功。117周で最後のピットインをして再び藤波がコースへ戻った。

 藤波は125周目にアウディR8をかわして3位へ。さらに2位の#3 GT-Rが最後のピットインをした128周目に2位へ浮上。しかしフレッシュタイヤを得た#3 GT-Rに追い上げられ、無用なバトルを避けて順位を譲り3位で周回を重ねていった。156周でチェッカーフラッグが振り下ろされ、藤波はトップから1分30秒差の3位へゴール。しかし2位の車両にピット作業違反があり、レース直後に30秒のペナルティが加算されたこともあり、繰り上がって2位表彰台を獲得することとなった。

 今回のレースでは一度もセーフティカーが導入されるようなアクシデントも起きず、リタイアもファイナルラップに止まってしまった2台を含む4台のみと、真夏の過酷なレースとしては予想以上に完走率が高いクリーンなレースだった。気温30℃を超えるコンディションでもミスなく着実な運転を続けた3人のドライバー、3回のピット作業でも完璧な仕事をこなしたメカニックとスタッフ。富士24時間で見せた成長ぶりが安定した結果での2位表彰台だった。

 

 これで22.5ポイントを加算してポイントリーダーを守ったばかりか、ランキング2位との差をわずかに広げることにも成功した。次のもてぎでは、4位以上でゴールすればタイトル確定となる。次の第5戦は、9月22〜23日にツインリンクもてぎ(栃木県)において5時間レースとして開催予定。

 

浜野彰彦

「今回はウェイトも重くて上位に行くことはあまり考えておらず、4〜5位が精一杯と思っていましたので、表彰台に乗れたのは本当にうれしいです。個人的にはあまりいいところは見せられなかったのですが、チーム全員の協力で取れたまさかの2位です」

 

星野一樹

「さすがに表彰台は思ってもみませんでしたが、すごく価値ある結果です。練習走行から一発の速さはありませんでしたが、決勝用のロングランのセットアップは非常に良かったので、淡々と走ればいいと思っていました。チームがいいクルマを作ってくれました。次のレースで(タイトルを)決めたいですね」

 

藤波清斗

「予想以上の結果に驚いています。ウェイトも重いし4位がベストかなと思っていましたが、まさか2位でゴールできるなんて。タイトルを争っていた2台のアウディより前でゴールできたことは大きいです。次のレースも気を引き締めて、今回は太っちゃったのでダイエットして頑張ります」

 

尾本直史チーム監督

「富士24時間レースを終えた次のレースが5時間というのは、とても短く感じるとは思いますが、50台の混走だし、オートポリスで真夏の5時間というのは経験がありませんから、気持ちを入れ直して挑みましょうと話しました。重いクルマだし無理せず決勝用のセットアップを重点にやった結果が2位。これまでやってきたことがつながっているなと感じることのできたレースでした」


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